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【京都の魅力発見】
古き良き、新たな京こま

世界で職人はただ一人、閉ざしてはならない伝統『京こま』

貴族の屋敷遊び『京こま』の歴史

『京こま』

 「貴族の屋敷遊びとして生まれた京こま。400年以上の歴史があるこの文化ですが、実は一度途絶えているんです」と話すのは、『京こま』において唯一の職人である中村佳之さん。『京こま』というのは、紐を巻き付けて回す一般的なこまとは違い、軸をつまんで回すひねりごまの一種。その起源は安土桃山時代まで遡ります。当時の貴族階級である公家の女性が、屋敷内で何か遊びができないかと考え、竹串に着物の端材を巻き付けて作ったのが始まりとされています。高貴な身分の方が纏う着物の布を使っているため、当時のこまは相当希少価値があったと考えられます。そこから公家邸を出入りする役人や商人たちを介し、ゆっくりと庶民にも普及していきました。現在のように反物ではなく平紐を使うようになったのは、昭和初期頃からと言われています。

ひと巻きひと巻き、手作業の妙を感じる

『京こま』

 『京こま』最大の魅力と言えば、鮮やかな色合いです。様々な色の紐を巻き付けることで美しいカラフルな輪が出来あがります。巻きつける作業は全て手作業で行い、直径3cmの『京こま』を作るのに必要な紐の長さはなんと4m。地道な作業ですが古くから変わらないこの造り方は、中村さん曰く「手仕事の原点」なのだとか。
 「昔から変わらない“巻きつける”というこの作業。京こまが生まれた起源の通り、時間を有効に活用したいと考えた昔の人が遊びで行っていました。それが工業となり文化に変わる。こういった流れで生まれたのが、手仕事なのではないかと私は考えています」。

歴史の断絶から復活を目指す

『京こま』

 そんな『京こま』ですが1980年頃から需要が減っており、職人一家の血筋だった中村さんの父親もそのあおりを受けました。ご本人も家業を継がず一般企業に就職したことによって、祖父の代から続いた京こま工房・雀休の暖簾が下ろされました。しかし仕事をしていてもふと思い出すのは、子供のころに造っていたこまのこと。35歳の時「このままではダメだ」と実家の復建を心に決め、会社を退職。すでに引退していた父親にその決心を伝えますが、「食べていけへんで」とひと言……。しかし決心は揺るぎませんでした。
 一人で『京こま』を造ることになった中村さんは、幼少期の記憶と資料を頼りに独学で技術の習得を目指しました。「紐を巻き付けるだけなので簡単だと思っていました。しかし何度やっても上手くいかず軸が安定しません。毎日努力を重ねていくうち、最初の半径3mmまでをしっかりと巻き付けることで軸を安定させられることに気付きました」。苦難の日々を実直な努力をもって、見事『京こま』を復活させることに成功したのです。その姿を見ていた父親も「そこまで本気ならわしも手伝おう」と手を貸してくれることに。3年後に他界するまで、2人で『京こま』造りに精を出しました。

『京こま』の新たな価値を生み出す

『京こま』

 再度歩み始めた『京こま』文化ですが、昔と同じことを続けるだけでは発展しないと考え、様々なものをモチーフにしたユニークな『京こま』を造り始めました。フルーツに始まり、京野菜、果てはクリスマスツリーまで。当時を振り返り、「これまで受け継がれてきた伝統的な技術は崩さず、新たな価値を生み出そうと必死でした」と語ります。この戦略が功をなし、「こんなこまは造れますか?」と注文が入るように。そう『京こま』が息を吹き返しはじめました。「京こまも結局は遊び道具。楽しい気持ちになれるのが一番です」と笑って話す中村さん。『京こま』文化の道には、使う側も造り手も、関わる人がみんな笑顔である明るい未来が続いています。

京こま匠 雀休 代表 中村佳之氏

京こま 【雀休】

京都市伝統工芸懇話会幹事。
京こま作りの家に育つも、移り変わる時代の中で需要の低迷からか全ての京こまの生産は途絶えてしまう。20年余りの時間を経て平成14年から家業の屋号「雀休」(じゃっきゅう)を引き継ぎ、京こま作りを再開する。
京こまの新製品の開発や各地で行われる京都の物産展や職人展に参加、また小学校や大学でも体験教室などを行う。
さらにドイツ、フランクフルト工芸美術館でも京都の伝統工芸・文化を伝えるなど、京こまやコマ遊びの楽しさを伝授し、京こまのPRを推進している。

お気軽にクラフト体験

■京こま作り体験
体験価格 2,000円(税込)

「円滑」「円満」などの意味があり、古くから縁起の良いものとされているカラフルな“京こま”。お好みの色合わせでオリジナルの京こま作りをお楽しみください。

お申込み方法等 詳細はこちら

【京都の魅力発見】
灯りで癒す京蝋燭

日本文化を今に伝える『京蝋燭』に魅せられる

癒しの炎を灯す『京蝋燭』

『京こま』

 奈良時代、仏教と共に中国から伝わった蝋燭。当時は蜂蜜から造られる蜜蝋が主流でした。しかし殺生を嫌う神仏文化の発展に伴い、松樹脂を材料にし始めたのが和蝋燭の起源。それが500年以上も前、室町時代の話というのですから驚きです。
 『京蝋燭』はそんな和蝋燭の一つ。代々伝わる技法を用いて、1本1本職人の手作業で造られる『京蝋燭』には、癒し効果があると言われています。ゆらゆらと揺らめく炎は「1/fのゆらぎ」と呼ばれ、心身を休めてくれるのです。これも自然由来の原料を使用しているから。石油系の原料で造られる西洋ローソクには出せない魅力が、『京蝋燭』にあります。

大胆かつ繊細に。職人の卓越した手腕

『京こま』

 『京蝋燭』の原材料である櫨(はぜ)。その実から抽出した蝋を、い草を棒に巻き付けた芯に塗り固めて『京蝋燭』は造られています。一層一層手で付けており、蝋が乾かない内に均一に塗るために繊細な指先の間隔と素早い動作が重要になってきます。また上が太く、下に行くほど細くなる特徴的な形は、蝋の乾燥時に蝋燭を反対向けに置いているため、重力によって自然とこの形に仕上がります。つまり逆円錐のあの形こそが、伝統的な技法を使った手造りである証明になるのです。

消えることのない炎の美しさ

『京こま』

 『京蝋燭』を含む和蝋燭が持つ特徴の1つとして火が消えにくいことがあります。それは製造過程において、蝋燭内部に空洞が造られることに由来します。芯に火が付くと、中心の空洞に空気が入り、常に燃焼を促進しているため、多少の風で火が消えることがないのです。そして炎に空気が送り込まれているからこそ、自然な揺らめきが生まれます。
 夕日のような温かみのあるオレンジ色の炎が周囲を照らす。時折ゆらりと揺らめく炎は心地よく、消えることなくずっと存在する。そんな神秘的な灯りを演出するのが『京蝋燭』なのです。

蝋燭の炎で観る古来の魅力をこれからも

『京こま』

 『京蝋燭』の造り手である京蝋燭なかむらの田川広一さんは、『蝋燭は消耗品。だからどんどん使ってもらいたいです」と語ります。古くから伝わる日本の文化は、和蝋燭の光で一番映えるように造られているそう。例えば着物に織り交ぜられた金糸や金色に塗られた屏風など、ゆらりと煌めく炎できらきらと光るのです。
 しかし電気が通った今、それぞれの意味が変わってきています。日本庭園は本来、灯篭の中に入った蝋燭で照らされている光で観るもの。田川さんは、古来の人が楽しんでいた侘びさびや趣きを伝えるため、『京蝋燭』を使ったライトアップイベントなど精力的に活動しています。電気を全て消して、蝋燭の光だけで見る日本画や寺社仏閣の本堂は、言葉を失うほどの美しさを持っているのだとか。「若い世代の人が中心となって開催するイベントも多くなっています」と田川さんが語るように、10~20代の方は京蝋燭の歴史や使う意味を面白いほど吸収し、自由なインスピレーションで新しい使い方を模索してくれるので、田川さん自身も得るものがあるようです。「未来ある世代が使ってくれることに、京蝋燭の行く末も明るいと感じています」。

京蝋燭 絵師 中村ローソク 田川広一氏

有限会社 中村ローソク

有限会社中村ローソク4代目。
京都西洞院で和蝋燭屋を始め、その地で7代、明治十年中村商店として、堀川三条で3代、平成19年9月より京都伏見に移り現代に至る。京都市との合同プロジェクトである「京都“悠久の灯(あかり)”プロジェクト」の発起人の一人として、和蝋燭の原料である櫨(はぜ)の栽培をスタートさせ、京都の社寺などで使われる和蝋燭の地産地消を目指し活動を続ける。

お気軽にクラフト体験

■和蝋燭の絵付け体験
体験価格 1,000円/1,500円/2,000円(税込)

京都市指定の伝統産業74品目のひとつの和蝋燭。その絵付けは、寒い地域の墓前に生花を供えても、すぐに枯れてしまうとともに、また生花も手に入らないことから、生花の代わりに、花の絵をあしらった蝋燭を供えたことから始まったとされています。四季それぞれの花の絵が多いのは、この習わしが由縁とされています。現在は、芸術品としても扱われ、さまざまな図案が描かれています。インテリアとしてもお楽しみいただける、日本の古き良き伝統文化をご体験ください。

■和蝋燭のシェード絵付け体験
体験価格 2,000円(税込)

和蝋燭は、植物性の蝋と空気を吸って燃やすことを繰り返して火を灯します。そのために、自然に炎が揺らぐのが特徴です。和蝋燭は、シェードに描かれた絵が、大きくなったり小さくなったりします。植物性の原材料を使ったカップ型和蝋燭も、棒状の蝋燭と同じように炎が揺らぎます。
京都市指定の伝統産業である「和蝋燭」と「京焼・清水焼」の燭台とともに、揺らぎが生み出す幻想的で、心和む京都の灯の世界をお楽しみください。

お申込み方法等 詳細はこちら

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